投稿

1月, 2020の投稿を表示しています

ゴルトベルクのこと 其の十六

昨日(日づけが変わったので一昨日)ゴルトベルク イン 蔭凉寺 終わりました。 本当に難しい曲です。 格調高く、深い演奏にいつかたどりつけるのでしょうか。 お客様が本当に温かく、感謝の気持ちでいっぱいです。 ご来場のみなさまありがとうございました。 これからも頑張ります。 (アルザスのワインを下さった方はどなたでしょうか?もしこれをご覧だったらご一報ください。)

ゴルトベルクのこと其の十五

「ご 」と打つとゴルトベルクが最初に出るようになってまいりました。 この曲がこんなにも有名なのはグールドの演奏のおかげかもしれません。 でも実は私はよくは聞いたことがありませんでした。 しかし避けては通れぬ道。 怖いような気持ちで聞いてみました。 素晴らしいですね。 音楽への愛があふれています。 チェンバロで弾く事は、バッハのイメージした音楽を表すのにふさわしいことだと思いますが、バッハの精神を表すのに楽器は関係ないと思わせるそういった演奏です。

ゴルトベルクのこと 其の十四

この調子では、コンサートまでに30は難しそうなので、コンサート後にも続けて30になればいいかな。。 それともそこまで30にこだわらなくてもいいでしょうか? (好きにすれば、というお声が聞こえてきそうです。) さあプログラムノートも書き終わりました。 アクセア岡山店さんにお願いするようになってから、書いた次の日には印刷が仕上がることが多く本当にありがたいです。 そのおかげでこんなにギリギリに書くことができるのです。 じゃあ今日はクイズの答えを。 32小節ではないゴルトベルク変奏曲の曲は、 第3.9.16.21.30変奏曲でした〜。 これも意味があるのかどうか、私にはわかりませんが、どうなんでしょうか。

ゴルトベルクのこと 其の十三

そろそろプログラムノートも書かなければいけません。 ゴルトベルク変奏曲は、冒頭と最後のアリアと30の変奏曲、合わせると32曲となります。 そしてごく1部を除いたほとんどの変奏曲も32小節からできているのです。 さあクイズです! 32小節ではない変奏曲はどれでしょうか? バッハは相当数へのこだわりがあったと言われていますが、 32には何か意味があるのでしょうか。それともないのでしょうか。

ゴルトベルクのこと其の十二

イメージ
さて、クオドリベットに使われた民謡は後に判明し, 以下がそのメロディですが、 The Goldberg variations by P. Williams ed. Cambridge music handbook  ♪長くご無沙汰、さあおいで ♪キャベツとカブが僕を追い出した 母さんが肉を料理すれば出て行かずに済んだのに というのが二つの民謡の歌詞なんだそう。 これは、何を指しているかというと、アリアのことなんだという解釈をいくつかどこかで読んだのですが、 つまりアリアが「長く追い出されていたけれど、戻っておいで」というバッハのユーモアと思うと、この曲全体が非常にユーモラスに感じられますね。 もちろんこの第30変奏の後にはアリアが戻って来ます。

ゴルトベルクのこと其の十一

さて今回は第30変奏のクオドリベットについてこれはラテン語で「お好きなように」という意味らしいのです。 バッハは何代も続く音楽一家ですので、親戚の集まりでの余興も音楽家らしいもので、有名な民謡、流行歌などを複数用いて即興的に多声の曲を歌って遊んでと言われています。クオドリベットとはそのような異なる複数の旋律を使って曲を作ることをいうようです。 第30変奏はそれまで規則性からすると、10個目のカノンがくるはずですが、代わりに配置されたのはこのクオドリベットです。 ここで使われたとってもユーモラスなメロディについてはまた次回♫

ゴルトベルクのこと 其の十

イメージ
其の三十までを目指していますが、雲行きが怪しくなって来ました。 なるべく頑張ります。 さあ「ゴルトベルクのこと」と言いながら、ゴルトベルク少年について触れていませんでした。 どんな少年だったのでしょうか。 ヨハン=ゴットリープ・ゴルトベルクといいポーランド領プロシアに1727年に生まれたと言われていますが、あまり多くのことはわかっていません。鍵盤奏者としての才能を表し、カイザーリンク伯爵に見出され、鍵盤奏者、作曲家として活躍しました。 1756にドレスデンで亡くなっています。 僅か29歳。 大バッハやバッハの長男ウィルヘルム フリーデマン バッハに師事したと見られています。 Imslp でゴルトベルクが作曲した24のポロネーズを見てみました。 24の調で書かれていて、なにやらバッハの影響を感じます。 音型などもゴルトベルク変奏曲風のものもあり、興味深いです。 スタイルとしてはまさにバッハ息子たち、特にエマニュエル バッハみたいな雰囲気ですね。

ゴルトベルクのこと 其の九

イメージ
今日は手短かにドイツの民謡の音源を。 バッハも作曲に取り入れたドイツの民謡。 こちらの音源ではバッハ以降のものも多数含まれると思いますが、 素朴で力強い音楽ですね。 ドイツ語の発音からくる抑揚も興味深く楽しく聞いています。

ラジオ出演のお知らせ

1/13(月曜)朝9:05ごろよりFM岡山に電話インタビューで出演します。 チェンバロや、26日の演奏会についてお話しする予定です。 よろしければお聞きください。

ゴルトベルクのこと 其の八

イメージ
変奏曲の部分は三つずつグループになっていますが、 例外はあるものの、舞曲ー技巧的な曲ーカノン という配置が多く見られます。 第1変奏曲はポロネーズのリズムと言われています。 ポロネーズと言えばショパンで有名ですが、バロック時代にも よく作曲されましたし、バッハの息子のウィルヘルム フリーデマン バッハは大変美しいポロネーズ集を作曲しています。 第一変奏の冒頭 ポロネーズとは「ポーランドの」という意味のフランス語で、ゆったりとした三拍子の踊りで、五大ポーランド民族舞踊のうちの一つです。

ゴルトベルクのこと 其の七

其の三十までを目指してペースアップしてまいります。 ゴルトベルク変奏曲を演奏する際に問題になるのは、休憩を途中でとるかとらないかということです。 全曲二部形式で前半後半それぞれ繰り返しがあるので、繰り返しをすれば、長さは二倍になります。 フォルケルの伝記では「50分」という表現が出てくることから、おそらく当時は繰り返しがないのが一般的だったのかもしれません。 ただバッハの意図はわかりません。 繰り返しなしにどんどんと進むのもいいですが、あってもいい、ただ繰り返しをしたら一曲をコンサートで通して聴くのは少し辛いかもしれません。 エピソードでのカイザーリンク伯爵のように寝転んで聞ければいいんですが。。 ということで半分の第15変奏の後に今回は一度休憩を入れようかと思います。 具体的には15:40分頃になると思います。

ゴルトベルクのこと 其の六

イメージ
明けましておめでとうございます 本年も皆様にとって素敵な一年になりますようにお祈りさせていただきます 私も心新たな気持ちです しかしゴルトベルクは続きます。 「ゴルトベルクのこと」シリーズいつまで続くのか、このペースだと変奏曲にちなんで30くらいまでいけるかもしれません。 さて今日はカノンについてです。 アリアに30の変奏曲が続くこのゴルトベルクは3曲ずつ一かたまりとなり、10のグループで構成されていると見ることができます。 なぜならば、三曲ごとに必ずカノンが来ているからです。(ただし第30変奏は例外) カノンはバッハが好んだ技法で、有名なカエルの歌で、全く同じメロディーを少しずらして重ねるというアレです。 それをバッハは、同じ音程であるユニゾンから、2度、3度と一度ずつずらして9度のカノンまで作っています。 つまり九つのカノンを二つおきに配置しているのです。 ちなみに色々なカノンを駆使した作品に「音楽の捧げもの」がありますが、その中の「蟹のカノン」、これはメロディを最初から弾くのと、後ろから弾くのを合わせるというものです。 こうなってくると、バッハのオタクさにおののきますね。 わかりやすい動画があったので、拝借させていただきます。