投稿

3月, 2019の投稿を表示しています

チェロとチェンバロの夕べ終了

昨夜「チェロとチェンバロの夕べ」終了しました。 多くのお客様にご来場いただきありがとうございました。 このコンサートは主催者の方のメモリアルとなるコンサートで、 共演者の石塚さんとも主催者の方の引き合わせにより初めてご一緒しました。 思いのこもった手作りのコンサートで、私にとっても印象深い経験でした。 小澤征爾が、「聴衆は奏者のパーソナルな部分を聞いている」 と言っていましたが、やはりお客様は奏者の個性と演奏とをひっくるめて楽しんでいらっしゃるのだと思う一夜でもありました。 技術を高め真実を追求したいと思うことと、自分自身であることのバランスが取れているとき、一番いい演奏ができるのかもしれません。 楽しいコンサートでした。

メロディいろいろ

少し前に告知していたままになっていたミニ講座ですが、テーマを少しマイルドにし、 「メロディいろいろ」のタイトルのもと、チェンバロのための作品からいろいろなメロディをピックアップし、どう表現するのが適切か様々な角度から探ろうと思います。 4/6の15:00頃からの予定ですが、ご参加希望の方のご都合によってはまた変更になるかもしれません。一時間半ほどです。 よろしくお願いいたします。

チェンバロのイメージ

チェンバロって貴族的な楽器というイメージを持たれがちですし、私もよくバロック時代に王侯貴族が聞いたり弾いたりした楽器という説明をすることがありますが、 私自身はチェンバロが、きらびやかで雅な楽器というイメージを持っていないことに気づきます。 それはなぜかといろいろ考えてみたところ、チェンバロとの出会いが関係しているのかなと思います。 私が初めてチェンバロに触れたのは桐朋の古楽実習の授業でした。 桐朋は最近ようやく建て替えられたらしいですが、当時は古くて(といってもアンティークな古さではなく)薄暗いなんの変哲も無い建物で、古楽教室はその中でも奥まったところにあり、あったチェンバロは最低限の装飾であちこち傷だらけですし、特に美しいと思わせる要素はゼロでした。これは余談ですが、そのせいか、学生たちはチェンバロが高価な楽器と知らなかったのです。「チェンバロって結構高いらしい!」と盛り上がった日が懐かしい。 その古楽実習で、初めて指名されて弾いたのはクロマティックファンタジーとフーガですが、鍵盤の幅もタッチもピッチも違いミスだらけの演奏。「あなた、ピアノだったらちゃんと弾けるわけ?」と先生からお叱りを受けた記憶がうっすらとあります。そこから猛練習が始まったわけですが。。 そんな優雅さとはかけ離れた出会いからか、「チェンバロ素敵ね!」と言っていただくことは多いのですが、好きでも素敵とは違うような、、とあまりそういう実感はなかったのです。 最近になってチェンバロは多少優雅な楽器なのかもしれないと思うこともありますが、でも私にとっては、世話は面倒でデリケートな面はありながら、第一には表現力のある力強い楽器で、そしてそれこそがチェンバロの美しさなのです。それはずっと変わらない私のチェンバロのイメージです。

土壌

土壌とはどういうことかなと考えると、文字通り土、つまり豊かに育てることのできる場という意味なのでしょうか。土壌が豊か、または無いなどと言ったりしますね。 音楽の土壌に関して言えば、、 演奏は奉仕であるべきで、弾かせて頂けるだけでありがたい、良い経験になるのでお金なんかいりません。というのはありがちですし、言う方も言われる方も楽です。 教えることで生計を立てるなり足しにして、演奏は無償でとしている人も特に地方では多いと思います。 自分もそうするべきかと考えると、特別な意図を持ったチャリティなどは別にしても、それは音楽を守ることになってないかのしれない、、という気もします。 演奏家の演奏は、なんらかの価値のある仕事で対価があるのが当たり前ということを訴え続けなければ、どれだけ教えても、音楽は素晴らしい仕事だと後進の人たちに言えないし、続けられる人が限られてしまいます。 音楽では、若い人が「やってみたい、私もああなりたい」と思ってもらえるような環境を整えるのも一つの仕事なのかもしれません。 難しいですね。

ダウランド

イメージ
今度コンサートでダウランドの歌曲の伴奏をするので、初版の楽譜を見てみたら、 リュートの伴奏がタブラチュア譜にしっかりと書き記されているのですねー。(お恥ずかしながら初めて見ました。)なんとなく数字で書かれているのを想像していたのですが、リアリゼーションも書かれていて勉強になります。 右側は、左側と同じ曲ですが、リュートの代わりにアルトゥス、テノール、バッススの3人の歌手が楽譜をぐるりと囲んで演奏できるような配置になっていて面白いですね。

耳をそばだてて

さて、二月の毎日ブログ更新目標を達成したからと、早速更新をサボっておりますが。 三月の目標は、「午前中に用事を済ませる。」 にしたいと思います。 ミニ講座の日程について、三月も土日が立て込み四月に延期します。 また日程はお知らせいたします! 最近ピアノ、チェンバロで、アンサンブルの合わせが多く、いろいろな音楽家と音を出しています。 そこで感じたことですが、鍵盤以外のほとんどの楽器(歌も)は音程を奏者自身が作らなければなりません。 調律にまかせて弾く鍵盤奏者よりも、周りの音との調和に対する敏感さが求められるのです。 当たり前といえば当たり前の事実ですが、私も弦楽器や管楽器の人になった気持ちで、耳をそばだてなければと思います。 そして、狂いのない音程、または狂ったチェンバロにでもぴったり合わせられる奏者って本当にすごいなあと知るのです。