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5月, 2017の投稿を表示しています

調律

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フランスの調律の授業で配られた資料を読み返していると、「同じ色で」という表現がよく出てきます。うなりの数を合わせようと思うよりずっと気楽な気持ちで調律できる素敵な表現だなと思います。 写真は先生手書きのメソッド。読むのに難儀した思い出がよみがえります。

一汁一菜でよいという提案

料理研究家の土井善晴さんの著書、以前から気になっていたのですが、購入して読んでみました。 これは土井氏の最も言いたかったことではないかもしれませんが、私がこの本で特に素敵だと思ったところは、普段の食事は自然が育んだ食材により自然と繋がること、お酒を含めて特別な食事は神と繋がることだと示唆されていたところです。 とてもシンプルな一汁一菜でも、そこで完結するのではなくて何か壮大なものにつながっていくのが食事なんですね。 読んで開放的な気持ちになりました。 また読み返すと違った発見があると思いますので大切にしたいと思います。

レプリカとオリジナル

先日鳴門にある大塚国際美術館に行ってきました。 ここは、様々な西洋絵画の名品が原寸大で陶板によって再現されているという美術館です。古代の時代のものなどなかなか興味深く拝見したのですが、どんどん見進めているうちに、壁紙のように思えてきてしまいます。 もちろん立体感や凹凸も再現されているのにです。 オリジナルの作品には、胸に迫る強さを感じます。でもそれが一切ないのです。 宿るオーラは、どれだけ形を似せても真似することはできないと思い知りました。 陶板を作るのだって、たくさんの方のご苦労があったはずです、でもそれと芸術の力はまた別なのですね。 何百年経っても、人々を感動させる作品というのは一体どれほどの天才と血の結晶なのかと思いを馳せます。そしてそれがオリジナルということなのだと思いました。

チェンバロいろいろ

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ベルリンの楽器博物館を訪れたときの写真です。オリジナルチェンバロも多く有りました。 ルッカース工房の代表的な装飾様式 美しい鍵盤の装飾ですね。

ジャック

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チェンバロという楽器の中でもジャックという装置はとても大切です。フランス語ではソトローsautereauと言ったりしますが、sauter(ジャンプ)するという言葉から来ているようです。鍵盤を押せば、ピョコピョコと上がるので、きっとそう呼ばれているのでしょう。 鍵盤の先に垂直に乗っていてそれがうまく上下することで、タング(ジャックの上部についているさらに小さい部品)についた爪が弦に触れ音を出します。 シンプルですが、製作には行程が多く、精度が求められます。 ジャックの背面。タング(中央の木片)はイノシシの毛でできたバネで支えます。 前から見た図 バネがないとこのようにタングは後ろに倒れたまま戻りません