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ちぇんばろ

先日ピアノについて書いたところで、そろそろチェンバロに専念しようと思って様子を伺うと、やはりご機嫌ナナメの模様。。 チェンバロはまさにお姫様、細心のケアが行われ、愛情を一身に受けなければきれいに響かないのです。 浮気がバレて慌てる男性のようだと思いながら、ドキドキしながら調整をして、ゆっくり練習を始めました。 そうですね、チェンバロは「星の王子様」に出てくるバラのようでもあるかもしれません。 時に疲弊しますが、下僕に徹するしかないのです。 しかしお姫様は、タフでもあります。いざというときにはエネルギーを下さいます。笑

ぴあの

最近ピアノを聞いたり弾いたりすることが増えてきました。 ヨーロッパでチェンバロばかり弾いていた頃には、ピアノを弾くことに罪の意識さえ持っていましたし、2歳から始めたピアノですが、もう自分は2度と弾くことはないと思っていました。 ヨーロッパのチェンバロ奏者にピアノを弾く人はほぼいませんし、家にも持っていない人がほとんどです。そのくらい住み分けがされているのです。 チェンバロを子供の時から専攻したり、裾野が広く、ある程度は分野が確立されているということも大きいと思いますし、古楽器奏者の理念である、「歴史的な演奏習慣を第一に」という視点から見れば、1900年代になってから今の形になったピアノで一体何ができるの?ということもあります。 ただまたピアノを弾いてみると、バロックで学んだことから、今まで見えてこなかったことがよくわかりブラームスくらいまでは解釈によい影響が多いのです。 ただし弾きすぎると、筋肉がつきすぎ、耳への負担も大きくチェンバロの演奏にさし障るのでギリギリのところを見極めてやめなければいけません。 チェンバロとピアノ。似ているようである面では最も遠い楽器でもあります。 でもどちらも素晴らしいですね。

ラグビー

ラグビーには今まであまり興味を持つ機会がなかったのですが、 ワールドカップを見ていると全力でぶつかり合う迫力と、紳士的な優しさのようなものも感じられてなんとも面白いスポーツですね。 全くスポーツには疎い私ですら、すっかりラグビーファンになってしまったのですから、 クラシック音楽も何か機会があれば、全く興味がなかった人が好きになるということも大いにあり得るのではないかと思います。 問題はどうその機会を作るか、、ということなのでしょうね。 今はピアニストを題材にした小説や、アニメ、芸大生のバラエティ出演など、マスメディアでもかなりそのための工夫をされる方はいらっしゃると感じています。 いつどのような成果が出てくるのでしょうか。楽しみですね。 そして自分にできる小さな小さなアプローチも、大切にしていかなければと改めて思います。

Mozart

最近、ここ一年ほどでしょうか、ピアノやオルガンを弾くようになり作品に新たに接することも多く、急にモーツァルトが好きになってきました。 以前はどこか単調で軽快というイメージしか持っていなかった気がします。 何がどうしてこれほど陰影と彩り豊かなハーモニーが美しい曲だったの? なぜ今まで気づかなかったの?と思うほど魅力を感じています。 小林秀雄がモーツァルトについて「疾走する悲しみ」と表現されたと記憶していますが、ずっと全く意味がわからなかったのですが、ようやくわかり始めました。 ・・・少し大人になったということでしょうか。 先日ミサで有名なAve verum corpusをオルガンソロの編曲で演奏しました。 モーツァルトはカトリックの信徒だったそうで、ミサ曲も作曲しています。 歌詞を覚書として。 アヴェ ヴェルム コルプス 万歳 真のお体 聖処女マリア様よりお生まれになり 真に苦しまれた 生贄として 十字架にかかり 人間のために その貫かれし脇腹からは 水のごとく血を流せしお体 われらに知らしめ給え  死の試練を

Goldberg

10月ですね。 早いです。 例年リサイタルの準備に追われるシーズンですが、今年はゆったりしています。 バッハシリーズ第4弾は、昨年の第3弾のコンサート時にお話しした通り「ゴルトベルクバリエーション」の予定です。 と日程未定の予告だけ、景気付けに行ってみます。 ゴルトベルクは難曲とされていますが、一つのバリエーションが短いので練習が細切れに出来るという利点があります。 気力のなかった時にも好きなバリエーションから気の向くままにボチボチと見ることができ、技術もキープできるありがたい曲なのです。 それを一つのストーリーにまとめ上げるのはこれからの作業ですが、この「曲のストーリーを組み立てる」のは演奏準備のうち最も好きな過程です。 実際に小説のようなストーリーというわけではないのですが。。 この時の練習は半分夢を見ているのと同じ感覚です。 こっそりこもって練習するのです。