エリ エリ

マタイ受難曲のクライマックスで、
イエスが十字架につけられ死ぬ直前に発した
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
という有名な言葉があります。
「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか。」
という意味だと福音書は伝えています。

非常にイエスの人間的な部分が見え隠れして、感動も大きい場面なのですが、
これには続きがあるのです。

マタイによる福音書を含む新約聖書には、旧約聖書に書かれたことがイエスの誕生により実現していく様子が描かれていますが、この「エリ、エリ・・・」の部分は旧約聖書の詩篇第22編から来ています。

詩篇においても最初は、「なぜお見捨てになるのか」と始まりますが、

わたしたちの先祖はあなたにより頼み、より頼んで救われて来た。

中略

主よ、あなただけはわたしを遠く離れないでください。

中略

あなたに賛美を捧げ、神を畏れる人々の前で満願の捧げものを捧げます。

中略

わたしの魂は必ず命を得
子孫は神に仕え
主のことを来たるべき代に語り伝え
成し遂げてくださった恵の御業を民の末に告げ知らせるでしょう。

…と神を賛美する句で終わっているのです。
人々は「エリ、エリ、」と聞くと、条件反射的にこの詩篇を思い出す人が多かったと思われるほど有名な詩篇のようです。
一見恨み節のようにも思える箇所ですが、そういった意味まで鑑みないといけないのですね。イエスが全てを受け入れたところと言えるのかもしれません。

余談ですが「エリ」は「エロイ」とも言うようで、スペインの友人にはエロイと言う名の人が何人かいたことを思い出します。


ちなみに今年の復活祭は4/21と少し遅めです。復活祭の頃になると受難曲にどうしても関心が向かいます。この一年は聖書を勉強し、少し解釈も前進したかも?しれないのでまた今年も受難曲を勉強していこうと思います。

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