チェンバロの音

チェンバロの音ほど聞こえ方に個人差のある楽器も少ないと感じます。
色でも見え方は様々というので、それと同じかもしれません。

チェンバロは非常に倍音の多く出る楽器です。
その倍音をどう聞いているかが、おそらく聞こえる音色の差になってくるのだろうと思います。
それはほとんど耳で聞くというより、肌で感じる類のものですが、体調によっても、また環境によって自分自身でも日々違って聞こえます。

ですので、チェンバロの音色について議論するのは本当に難しく感じることが多いです。
私自身留学して3年目のある日を境に、急に耳のつまりが取れたようにチェンバロの音がはっきりと聞こえるようになったことがありました。そしてそれと同時にフランス語もはっきりと聞き取れるようになったことがあり、不思議な経験でした。
それはチェンバロのみに専念してしばらく時間が経ったからという以外にも、フランス語を注意深く聞くことに耳が慣れてきたからということが大きい気がします。
フランス語とチェンバロの持つ倍音は非常に近いのかもしれません。


耳というのは本当にデリケートな器官ですので、知らず識らずのうちに違ったものを聞くようになってしまいます。
大切にしつつ、発展するように鍛えていかなければと思います。



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