うたの伴奏


 秋かと思いきやまだまだ暑い岡山です。

 先日ルネスホールでソプラノ永末藍さんが毎年展開するコンサート Ai Nagasue Music Tapestry の公演でモンテヴェルディやカッチーニといったいわゆる初期バロックを伴奏しました。

永末さんは10年のヨーロッパ生活に区切りをつけ今年帰国されたばかりの素晴らしい歌手です。

伴奏しながら何度もジーンと美しい声に感動し、歌とは音楽の根源だということが理屈抜きにわかる、そんなひとときでした。

 私は「カンタービレとは何か」をテーマにバッハシリーズを行なっておりますが、バロック時代には音楽は語りと密接にかかわる中で、やはり歌とは、語りそのものとは違い、内容を理解するよりも早くダイレクトに訴えてくる感覚的な美しさがあり、それこそがやはり大切なのだなあと、そんなことも考えました。

 初期バロックの歌曲は、ヘンデルやバッハといった後期のものに比べて歌われる方があまりいないのですが、伴奏にも職人技が必要となるジャンルです。

私も学生の時苦労しておりましたが、それができなければ一人前のチェンバロ奏者とは言えないということで、実はchef de chant という歌手と演奏するノウハウを学ぶ過程に在籍してしばらく勉強していました。それが帰国して初めて(完璧とはいいがたいながら)役に立ったコンサートでした。これからも機会をみつけて取り組んでいきたいと思います。

もっとチェンバロでも初期ものを弾いてみたくなりました。


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