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様々なコンサート体験を通して

 多少秋の気配も感じるような、感じないようなこの頃です。入道雲をみかけたので、やはりまだ秋は気のせいでしょうか。 近年いろいろなコンサートを聴く中で、技量にはあまり関係がなく、素敵だとか、練習の過程に尊敬の念を感じたりと心温まる思いをすることがほとんどだったのですが、本当に久しぶりに(とても聴いていられない、これは音楽に対する冒涜なのではないか)と感じたものがありました。 もちろん私がそう感じただけで、会としても意義深い素晴らしいもので、多くの方が喜んだものであったことは言うまでもありません。 ですので批判する意図は全くなく、それはこの投稿の主旨ではないことをご理解ください。 ただ、私はそのように怒りを感じた自分自身に心底ホッとした、と言ったらおかしいかもしれませんが、まだ自分には音楽家としてまた古楽奏者としての良心が残っていたのだと感じる機会だったのです。 年とともに、怒るのも面倒くさくなったり、嫌なことを記憶する能力も衰えて、(ま、なんでもいいわ)となりがちです。よく言えば丸く、悪く言えば鈍くなっている自覚がある中で、演奏に怒りを感じたというのは私の中では嬉しいできごとでもありました。 フランスの先生はいつも「毒がなければいけない」と言っていましたが、自らの「毒」ももっと大切にしていきたいです。(ほどほどに)

近況

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 もう9月も近くなりますが、まだまだ暑い日が続きます。 例年秋にはコンサートをすることが多いのですが、今年は見送ることになりました。 指の不調がなかなかよくならず、だましだまし弾いていましたが、さらに動きが悪い指が出てきています。 いろいろな方法を試みて気長に治したいと思います。 そんなことであまり自分で弾いて楽しむことができないこの頃、演奏会に行ってみたいという気持ちが芽生え普段あまり聞かないモダンの弦楽四重奏や、ジュニアオーケストラの公演に行きました。 どちらも音楽が好きという気持ちをひしひしと感じるものでした。 音楽をするということ、好きということは一体どういうことなんだろう。そんなことを漠然と考えています。 どうぞ皆様夏バテせずお元気でお過ごしください。 (写真は岡山市の西川緑道公園のライトアップ。 ストラスブールでは夏には毎晩プロジェクションマッピングや噴水ショウがあり、夏の夜のお散歩を楽しんでいたのを思い出します。)

第7回発表会終了しました

 すっかり時間が経ってしまいましたが、、 4月20日に第7回岡山チェンバロ•バロック音楽愛好会発表会が、もうすっかりお馴染みのルーテル教会にて行われました。今回も熱演の数々を堪能させていただきました。 次回は来年4/11!同じくルーテル教会をお借りします。 新たなご出演もお待ちしています。 発表会の後には弾丸ニューヨーク旅へ。 メトロポリタンオペラなどを楽しみました。演技も歌も素晴らしく、これぞオペラという贅沢な時間でした。 その後コンサートをはしごし、ジュリアードの学生によるバロックオーケストラの演奏会も聞きましたが、大半が副科の学生なのかあまり古楽的アプローチのようには感じませんでしたが、それが最近の傾向なのかもしれません。私ももう、(古い人〜)と思われるようになっているのでしょうか。 あっという間に梅雨入りし、季節は移り変わります。 毎日がどんどん過ぎていきますが、長期的目標も大切に過ごしていかねば、と思うこの頃です。

東京公演終了!

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  平均律クラヴィーア曲集第二巻全曲演奏会東京公演無事に終了いたしました。 練習してもしてもずっと難曲で、入試前のような気持ちでマッサージに通いながら頑張って練習する日々でした。 本番では時折、(寒い、お腹が痛い)など雑念がよぎり、そんな中で1時間以上も弾き続けなければならないコンサート特有の非日常感を味わいながら、同時にチェンバロとはなんと美しい楽器であろうかとしみじみ感じていました。 バッハはきっとこのチェンバロの音色を十分に味わいたいがためにこのような多種多様な曲を残したのかもしれない、そんな気さえしてきました。 恩師の有田先生ご夫妻にもお聴きいただき嬉しいことでした。 チェンバロを始めて気づけば20年以上、音楽を始めて40年。素晴らしい先生方との出会いがあってこそ今まで続けてこられたのだと思います。 また、チェンバロ製作、調律の島口さん、マネジメントのオフィスアルシュさんなどプロフェッショナルに支えられての公演は安心感がありました。 ご来場の皆様には本当に感謝です。 ありがとうございました。

東京でのコンサートのお知らせ

まだまだ寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。 実に7年ぶりとなる東京でのコンサートを3/20(木•祝)に駒込の今井館聖書講堂にて行います。 プログラムは平均律クラヴィーア曲集第二巻全曲というチャレンジ。 この二巻は、本当に美しい作品で、そしてとても難しいのです。 昨年9月にも岡山で取り組みましたが、なかなか骨の折れることでした。平均律に限らずですが、バッハシリーズとして、岡山でリサイタルを続けていますが、岡山だけの公演ですといつも一回きりになってしまい、もう一度同じプログラムを勉強したいとの思いがありました。今回東京で演奏会をすることになり、ではと再び平均律を演奏することにしました。 取り組みながらバッハの偉大さ、というよりむしろ自分の至らなさを感じることも多いのですが、まだ時期尚早かというと、必ずしもそうとは言えないと感じています。 なぜなら、全曲弾くのは体力と集中力が何より必要になってきますが、今後それがより高まる日は来ないのではないかという予感があるからです。 日に日に体は変化していくことを感じはじめるこの頃ですが、今できる限りのものが自分の全て。それ以下でもそれ以上でもないと、ある意味覚悟を決めて準備に励んでいます。挑戦できることに感謝して、がんばります。 コンサートの詳細は以下の通りです 小川園加チェンバロリサイタル Johann Sebastian Bach 平均律クラヴィーア曲集第 2巻 BWV870-893 2025年3月20日 (木・祝) 14:00 開演/  13:30 開場 今井館聖書講堂( 〒113-0021 東京都文京区本駒込6丁目11-15 ) 全席自由 4000円 ご予約・お問合せ:オフィスアルシュ 03-3565-6771 プレイガイド: チケットぴあ  https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=OA090027   発売中 イープラス https://eplus.jp/sf/detail/4200700001   発売中 東京古典楽器センター 03-3052-5515   

クリスマス

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 あっという間にクリスマスになりました。 インフルエンザも流行中ということですが、皆様お元気でお過ごしでいらっしゃいますように。 8日には湯浅宣子さんのバロックダンスとの公演も無事終えることができました。ダングルベールは非常にドラマのある作風ですが、ダンスのためにはやや複雑で時折ダンスの作法とは離れた書法により書かれているという発見がありました。 「これはフランスのバッハね。」と湯浅さんのコメントに妙に納得。 24日の夜にはクリスマスのミサにあずかりました。 一般的に24日はイブ、25日がクリスマスと言われていますが、カトリックではユダヤ教の影響で日暮れから日暮れまでを1日とするため、24日の夜にはキリスト降誕のお祝いが行われます。 美しい日だといつも感じます。 今年は体調を崩し、治ってはまた崩しと通院ばかりしていたような気がしますが、健康に気をつけて元気に過ごしていきたいです。 今年もお世話になりありがとうございました。 よい年末年始をお迎えください。

バロックダンスとチェンバロの午後

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 またもや、久しぶりの投稿となってしまいました。 コンサートのお知らせ以外にも、何か書きたいなと思うこともあるのですが、なかなか思うようにいきません。 つまり、また、コンサートのお知らせをさせてください。 12月8日(日) 14時からハレノワアートサロンにて、バロックダンスの湯浅宣子さんとチェンバロの公演があります。 バロックダンスのソロ、私もチェンバロソロと言う最小限の編成で行います。湯浅さんの素晴らしいダンスを存分に堪能できる機会で、客席からじっくり見たい気持ちですが、音楽のダングルベールも、これまた素晴らしい作品で、弾いていて喜びを感じます。 昨年に引き続き第二弾ということになりますが、ダンスが入ることで、舞曲に生命が宿り、また何とも言えない優雅な一時となったことを思い出します。やはり、ダンスは総合芸術なのだと実感いたしました。 バロック時代には、欠かすことのできない教養の1つであったダンスが実際どのようなものであったのか、間近に見る珍しい機会ともなることと思います。 フランスの舞曲は、バッハの組曲などにも大きな影響を与えました。その起源をたどることもできるでしょう。 衣装は、湯浅さんの長年の研究の結果をもとに作られたオリジナルに非常に近いものです。そちらも楽しみです。 どうぞお運びいただけると幸いです。